下肢静脈瘤の手術

下肢静脈瘤の手術で心がけていること

当院で行う下肢静脈瘤の日帰り手術では、体への負担や痛みを極力抑えつつ、丁寧な施術を心がけています。下肢静脈瘤は良性の病気であり、直接的には命には係わりませんが、まれに下肢静脈瘤の原因となっている大伏在静脈などの血管に大きな血栓(血の塊)ができることがあります。血栓が原因で血栓性静脈炎を起きると、足が赤く腫れて痛むケースが起こり得ます。その血栓がちぎれ、さらに太い大腿静脈の中を流れて肺に至ってしまうと、肺動脈を詰まらせて呼吸困難に繋がったり、肺動脈塞栓症などのさらに重篤な病気を引き起こす危険性があります。そのような状態を回避できるよう細心の注意を払いながら、事前にしっかりと検査を行い、静脈瘤のタイプや患者さまの状態によって適応を見極めてもっとも適切な治療を選択します。

下肢静脈瘤の治療方法の変遷

従来、下肢静脈瘤の治療はストリッピング手術という方法が主に行われていました。ストリッピング手術とは、足の付け根や膝裏などの皮膚を切開し、弁が壊れて静脈瘤の原因となっている血管に手術用のワイヤーを通して、逆流を起こしている血管を引き抜くというものです。現在では医療の進歩により、当院でも行っているラジオ波やレーザーを用いた血管内治療が主流です。手術を受けて休憩を取った後、その日のうちに帰宅できる日帰り手術が可能です。血管内にカテーテルを挿入して悪い血管を焼灼するラジオ波治療は、皮膚を切る必要がないため身体への負担が小さく、術後の回復も早いのが特徴です。2014年以降保険適用になったこと、日帰りでの手術ができることなどで、それまで手術をためらっていた方もより気軽に受けられるようになりました。

従来、下肢静脈瘤の治療はストリッピング手術という方法が主に行われていました。ストリッピング手術とは、足の付け根や膝裏などの皮膚を切開し、弁が壊れて静脈瘤の原因となっている血管に手術用のワイヤーを通して、逆流を起こしている血管を引き抜くというものです。全身麻酔が必要で身体への負担も大きいことから数日の入院が必要となり、保険適用外だったために費用も高額になりました。現在では医療の進歩により、当院でも行っているラジオ波による手術や、レーザー手術などが主流になりつつあり、基本的に手術を受けて休憩を取った後、その日のうちに帰宅できる日帰り手術が可能になっています。血管内にカテーテルを挿入して悪い血管を焼灼するラジオ波治療は、皮膚を切る必要がないため身体への負担が小さく、術後の回復も早いのが特徴です。近年保険適用になったことで、70歳以上の方は14,000円の負担での手術が可能になり、それまで費用の面で手術を受けることをためらっていた方もより気軽に受けられるようになりました。

ラジオ波焼灼術:日帰り手術に対応

ラジオ波とは、電磁波の一種であり、さまざまな外科・皮膚科・形成外科手術にも応用されています。ラジオ波焼灼術は、逆流を起こしている静脈に細い管(高周波アブレーションカテーテル)を挿入し、静脈の内側から熱を加えて静脈を焼灼し、塞いでしまう治療です。術後の痛み欧米では最も一般的に行われている治療法です。焼かれた静脈からの逆流はなくなり、その後体に吸収されていきます。ラジオ波焼灼術は静脈の閉塞成功率が高く、炎症、内出血などが少ない安心・安全な治療法になります。傷跡はカテーテルを挿入するための小さな開口部のみで、傷を縫う必要がないことも患者さまの負担軽減に役立っています。2014年に保険診療が認められ、術前・術後の検査を含めて全て保険内で行うことができるようになりました。

硬化療法:比較的軽度の下肢静脈瘤に

硬化療法とは静脈内に硬化剤を注入し、血管を固めて徐々に吸収させ、問題となる血管を消してしまう方法です。閉塞した静脈が組織に吸収されて消えた後は正常な静脈に血液が流れ、症状が改善されます。注射後は患部の圧迫を1か月ほど継続して改善を図ります。硬化剤を注射するだけで済むことから、患者さまにとって負担が少ない治療法といえますが、再発の可能性もあり重度の静脈瘤には適しません。血管が小さい場合の伏在型静脈瘤や、網目状静脈瘤・クモの巣状静脈瘤といった細かい静脈瘤の治療に多く用いられます。

レーザー治療とラジオ波焼灼術の違い(共に血管内焼灼術に該当し保険適応です)

下肢静脈瘤のレーザー治療とは、静脈に細いカテーテルを入れて、血管の中からレーザーを照射して血管を閉塞させる方法です。ラジオ波による手術と同様に近年広く行われている手法ですが、静脈壁の焼灼において術者によってばらつきが出ることがあります。一方ラジオ波ではその特性とカテーテルの形状などから、均一に静脈壁を焼灼することが可能です。患者さまに合わせた細かい調整ができることがレーザー治療のメリットではありますが、手技の面で均一的であり、操作が比較的シンプルなラジオ波を当院では使用していますが、レーザーでもラジオ波でも共に血管内を焼灼する方法の違いで、行う目的は同じです。

下肢静脈瘤の手術の麻酔について

当院の下肢静脈瘤の手術は、局所麻酔での神経ブロックという方法で痛みを減じた状態にして行います。その状態にて、静脈の周囲に濃度が低い麻酔液を一定の量注射するTLA麻酔(膨潤麻酔)を行います。手術中は患者さまの不安や緊張を和らげるため、半分眠っているような状態にするお薬を入れることにより、痛みを感じにくくした状態を保ちます。人によっては意識を保って声も聞こえるような状態を維持する場合もあれば、緊張しやすい方はいびきをかいて眠るまで意識を落としておくなど、患者さまの状態に合わせて最適な状態にコントロールしています。

診療の流れ

1初診時

問診と診察を行い、超音波検査で静脈瘤の原因となる血管を確認して血栓の有無などを調べた後、治療方法を決定します。ラジオ波焼灼術による手術を行う場合は採血、心電図、レントゲンなどの術前検査を行い、手術について詳しい説明をさせていただき、手術日を決定します。診察にかかる時間は1時間程度です。

2手術当日

絶空腹に近い状態で午前11:30頃に来院していただきます。特別な持ち物は必要なく、通常の外来診療の感覚で来ていただいて問題ありません。午前診療が終了した午後1時頃に手術を行います。手術は静脈瘤の程度にもよりますが40~60分程度で終了し、しばらく休んでいただいた後、2時過ぎ帰宅となります。手術費用の精算は基本的に手術当日ではなく術後の検査時で結構です。なお硬化療法の場合は5~10分で終了します。

3手術後

基本的に手術翌日、1週間後、1か月後に来院していただいき術後の経過を見ます。手術翌日からシャワー、翌々日から入浴が可能です。手術後1週間は、弾性ストッキングを入浴時以外終日、術後1週間~1ヶ月は昼間のみ弾性ストッキングを着用して頂きます。(ただし、最近は、それほど厳密に弾性ストッキング着用も不要との意見もあり、夏など弾性ストッキング着用があつくて困難な時には、適宜なしでもよいかと考えれます。)

手術後に気をつけていただくこと

手術後は弾力包帯で患部を固定します。手術翌日にご来院いただいて包帯を取り、超音波検査を行います。問題がなければその後1週間、お風呂の時間以外は弾性ストッキングを履いて過ごしていただきます。1週間後に再び経過を確認し、その後1か月ほど経つまでは日中のみ弾性ストッキングを履いていただきます。就寝時はストッキングは抜いでも構いません。術後1か月の超音波検査で問題がなければ以後は経過観察です。手術後は血栓を作らないようにできるだけ歩くなど身体を動かしていただき、しっかり水分を摂って頂きます。術後の過ごし方については、専門のスタッフからも丁寧にご説明いたします。また、帰宅前に、夜間・休日でも対応の電話番号をお伝えしており、24時間体制でアフターフォローをしております。何か心配なことがあった時にはいつでもお電話ください。

下肢静脈瘤治療の費用

下肢静脈瘤の治療・手術は健康保険適用の対象になります。治療費は3割負担の方で以下の通りです。
こちらはあくまでも目安ですので、詳しくはお問い合わせください。

初診時(初診料、術前検査一式) 約5,000~6,000円
ラジオ波焼灼手術 約50,000円(片足)
手術後の検査 1,000円前後(手術1~2日後、一週間後、1か月後)
硬化療法 約5,000円

なお、70歳以上の方は一般に医療費が1割負担であるほか、外来の高額療養費の自己負担限度額が14,000円(月額、一般所得者に該当する場合)の保険制度があります。

★また、当院では、日帰り入院(0泊入院)にも対応しております。任意保険で、日帰り入院(0泊入院)に対応した保険に入れれている方は、お申し出下さい。

下肢静脈瘤についてのQ&A

Q
血管を焼いて塞いでしまっても大丈夫ですか。その血管を流れていた血液はどうなりますか。
A

静脈瘤の原因となっている血管を閉塞させてしまっても、足全体の血流には問題ありません。血液は自然に残っている血管を通って流れるようになります。

Q
手術後は患部は綺麗になりますか。
A

通常綺麗に治ります。まれに術後皮下出血が起きても1か月以内に消え、手術前に見られた皮膚の色素沈着も時間とともに薄くなっていきます。手術時の皮膚切開の範囲も短いため、傷はほとんどわかりません。また当院では、手術前と手術後の写真を比較していただくことで違いをはっきり感じていただけます。

Q
保険は適応されますか
A

【下肢静脈瘤血管内焼灼術:K617-4】の保険術式で、レーザーもラジオ波もこの血管内焼灼術に含まれ、保険適応です。

Q
再発はありますか。
A

古い機器では多少の痛みや再発が認められたようですが、現在当院で導入している最新の治療機器「Venefit」では痛みや腫れが抑えられ、再発率も格段に低くなっています。再発した場合でも、大小伏在静麻の太く主要な静脈が焼灼されていれば、硬化剤を注入する硬化療法や、目立つ部分の瘤切除などで対応します。

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